中東の資料館1. 民族
 


 

バールベック

  民族について

 ヨルダン・シリア・レバノンの国は、アラブ人を中心にクルド人、アルメニア人、パレスチナ人(パレスチナから避難したアラブ人)の民族構成となっている。

 3国では民族意識が高く、また各民族の団結力も強い。その民族的な意識は、彼らの宗教に深く根ざしている。

 

.


 ★アラブ人

  セム系民族のうちでユダヤ人以外のアラビア人、シリア人、エジプト人,イラク人など、あるいはそれらの民族が混血したものの総称。

 ★セム系民族

  ◎聖書より

 セム(アラビア語でシャム)とは「旧約聖書」の創世記に出てくる「ノアの方舟」に由来していると言われている。人間は神に背き、洪水によって滅ぼされるが、神の教えを守ったノアとその家族は、方舟に乗って生き延びる。ノアの長男がセムであり、そのセムの子孫がセム族という一説。

  ◎言語より

 アラビア語、ヘブライ語、アラム語(シリア語)、カナン語、アッカド語のどれかを話す人々のことをセム系民族と呼んでいる。ヨルダン、シリア、レバノンには先史時代からセム系民族が住んでいた。

  ◎遊牧民

 遊牧民はベドウィンと呼ばれ、定住民と区別されている。

 



  ★グルド人

 イラン、イラク、シリア、トルコ、アゼルバイジャン(アルメニアの国境地帯クルディスタンに住む山岳遊牧民)現在総人口は3000万人。

 シリアとレバノンに住むクルド人は、他の国と同じく少数派で多民族の圧力を受け易い。クルド人は、自らの自治と独立を求める運動を度々起こして、中東地域の大きな話題になっている。

.



  ★アルメニア人

 アルメニア人国家は、西はトルコ、北はグルシア、東をアゼルバイジャンに挟まれている。

 古くからいろいろな国に支配され、オスマン帝国下では、19世紀から第一次世界大戦にかけて大虐殺にあい、多くのアルメニア人が国外に逃れた。

 現在はシリア、レバノン、イラン、トルコ、キプロスにアルメニア社会が存在する。

  

 

 ★パレスチナ人

 パレスチナに住んでいたアラブ人のこと。20世紀初頭まで、パレスチナには、少数のユダヤ人と多数のアラブ人が住んでいた。

   バルフォア宣言(イギリスがユダヤ人の経済協力を得る為に、ユダヤ人のパレスチナ復帰運動を支持した)によって、パレスチナにユダヤ人が次々と移住した。

 テル・アビブなどの近代都市を建設し、やがて農業や商業において、アラブ人を圧倒するようになった。イギリスはアラブとユダヤの両方にいい顔をする無責任な二重外交を展開した。この相反する約束が、やがて「パレスチナ問題」や「中東戦争」を生む原因となる。

             トップへ