シラーズ
イラン


エラムガーデン

 薔薇と詩で知られるファールス州の州都、シラーズ。

 アケメネス朝はこの地方から起こった。ファールスと言えばペルシャを指すが、それはこの地域が「ペルシャの顔」であることを物語る。

 シラーズはテヘランの約600km南方にあり、1600mの高地に位置するため、四季を通じて気候は穏やか。街には庭園など緑が多く、薔薇の美しさは有名。

 ガージャール朝時代に造られた。エラムとは、ペルシャ語で「楽園」。数々の庭園のなかで、エラム庭園は花が多い。薔薇のシーズンは5〜6月。

 エラム庭園内には、19世紀に建てられたガージャール朝の代表傑作のエラム宮殿と、その正面には、花に囲まれた池があり、階段状に水が落ちていく水路が長く通っている。その両脇には糸杉が列をなし、芸術品のような完成度の高い美しさを見せてくれる。

 

  
ハーフェズ廟

 イランで最も偉大で、敬愛されている叙情詩人、ハーフェズ(1325〜1389)の廟。幼少の頃からクルアーンを暗唱することができたので、「クルアーン(コーラン)の暗記者」をペンネームとした。

 シャー・チェラーグ廟

 835年シラーズで殉教したエマーム・レーザーの弟、セイイエド・ミール・アフマドの廟。シャー・チェラーグはランプの王という意味で、彼の通称。

 シーア派の巡礼地。建物は14世紀に建てられ、内壁と、ドームの天井はすべて鏡のモザイク張り。



クルアーン(コーラン)

 街の北東にあり、エスファハーンやペルセポリス方面からシラーズに入るときに必ず目にする、シラーズの玄関口。門の上部には古いクルアーンが置かれている小部屋があり、旅する人の安全を見守っていると言われている。

 この西側の崖には、ハーフェズやサーディーに次いで著名な詩人の墓、ハージュー・ケルマーニー廟や洞窟チャーイハーネがあり、市民の憩いの場となっている。ここでは売店に水たばこを沢山並べていて、市民に有料で貸し出している。

 展望テラスは街を眼下におさめられる人気のスポット。

 夕方などは、親子連れや男達そして女子学生の一団で賑う。外国人を見つけると、女子学生達は、たちまち取り囲んで、写真を写したり、自分達も一緒にモデルになり、仲間に写してもらったりしている。知ってる限りの英語での質問攻めに合ったり、その輪から抜け出すのが一苦労でした。

 

 

 

 
 

  
イランのモスク

 聖廟(エマームザーデ)は異教徒でも入れるマスジェドと違い、原則としてイスラム教徒以外は入れない。しかし実際は、女性は上部の写真のように、外国人でもチャドルを借りて入ることが出来る。

 内部は男女別に真ん中で仕切られている。入り口も男女別。入り口近くに靴を預けるところがあり、靴と引き換えに番号札をくれる。写真撮影は厳禁。

 建物の内部に入ると、聖人の棺が中央に安置され、正確には、棺の三方が男側に女側には一面のみ見えるだけだが、そこには人々がいつも群がっている。聖廟内はかなり広く、泣き叫んでいる人もいるし、お喋りに興じている人、お菓子を食べている人までいる。

 マスジェドが厳粛な「静」ならここ聖廟は熱気に満ちた「動」だ。

ランのイスラム

 イスラム圏では、お祈りの時間を知らせる鐘の音や、コーランが流れてくるのを度々耳にするが、ここイランでは、お祈りをする人も、コーランも聞こえてこない。ちょっと他のイスラム圏と違うな!そんな印象を受ける。

 他のイスラム圏では、女性もヴェールを脱ぎはじめているのに、イランでは外国人女性にまで、ホテルの部屋を一歩でもでたら、チャドルとコートの着用を義務づけている。

 これがとても暑くて、ついにはあせもが出来る始末。ハンドタオルを防空頭巾のように後を縫って被ってみると、これはなかなかのものでした。空港もOKでした。小振りのスカーフを、頭だけ覆って、あごと首をだしている、観光客も見かけました。

 イランの男性に尋ねたら、「女性は気の毒、可哀想。政府が悪い」と言っていました。同感です。

 

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