カスバ街道を行く

 

マラケシュを発ち、アトラス砂漠への旅は、ベルベルの国への旅となる。

モロッコ人はベルベルに誇りを持っている。ベルベル音楽、ベルベルダ

ンス、ベルベル絨毯とベルベルであることは珍重される。砂漠の遊牧民

「トゥアレグ」や「ノマド」もいわゆる先住民のベルベルに含まれ、こ

のベルベルはアトラスからやって来た・砂漠からやって来たと遠ければ

遠いほど、得意になって紹介される。

アトラスの壮大な景観を見ながら、いくつもの険しいコーナーを登って

行くと「TICHK」標高2260m雪に覆われた極寒の地でした。

 

 

アトラスを越えると そこはもうサハラの入り口。

ダデス川に沿って土漠を突き抜けていく道は、カスバ街道と呼ばれている。

ワルザザードとブーマレンダデスの間にはダデス川が流れ、この辺りは

ダデス渓谷といいカスバの数が多い。200キロに渡り有名なカスバ街道が

続いている。ダデス渓谷は土地が肥沃で薔薇杏子、桃、アーモンドの栽

培も盛んである。

 

 

切り立った断崖は300mの高さに達するところもあるモロッコのグランド

キャニオ ンと呼ばれるトドラ渓谷の、深い谷間を流れるトドラ川の水は

アーモンド栽培の給水に利用される。

 

鬱蒼と建つ巨大な土の塊の集積といった感のあるカスバ(城塞)は茫洋と

してのびやかに天にのびている。崩れかけた土にしみ込んだ地の匂いは、

身を寄せると思いもよらない物語を聞かせてくれるような気がする。塔に

巣くうコウノトリは、もう守るものも無いのに気づかないほど年老いて

ぼけてしまった番人のようだった。

 

アラーの教えで富めるものが貧しいものに施すのは、喜捨の行(バクシーシ)

になる。何しろベルベルの国は子供が多い。観光バスが着くと姿も見えなか

った子供たちがどこからか集まって来て「ボンジュール」「マダム」とバク

シーシに取り囲まれてしまう。数が足りないものはすさましい生存競争と

なり、「マダム、ボンボン」と追いすがる子供を残してバクシーシの行の

難しさを思い知らされる。

 

サハラ砂漠へ

 

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