空路シナイ半島の突端にあるシェルム・エル・シェイクへ。あふれんばかりの太陽光線を受けて、群青色の海面がきらきらと輝く、透明度抜群の紅海。砂漠に接しているとは、到底考えられない景色が、目に飛び込んできました。 シナイの歴史は古いけれど、近代史になると、少々キナ臭さが漂う。度重なる中東戦争の戦場にもなったが、1982年にイスラエルからエジプトに変換された。
リゾートのリッチな気分で、再びシナイ半島の中央に位置する、セント・カテリーナへ向います。花崗岩の切り立った岩山と岩で構成される、荒涼とした景色が延々と続き、とても生命など存在しないかのように見えますが、それでも時折には、ベドウィン(砂漠の遊牧民)が、放牧したヤギや羊が、わずかばかりの草を探しまわっているのを、見かけることもできました。
やがてシナイ山の麓、セント・カテリーナに到着、その寒さといったら、半端ではありませんでした。
いよいよ、予言者モーセが神から十戒を授かったといわれるシナイ山に、ご来光を拝みに登頂します。
午前2時、セント・カテリーナ修道院横の登山道に出て、ここからラクダで、第3休息所まで登ります。人口の灯がなく、言葉も通じないラクダの背にゆられて、見上げる夜空には、無数の星が輝き、ひっきりなしに、流れ星が駆ける。
ラクダを降りるとここからは、暗い道無き道を、友に支えられながら、山頂近くの山小屋に到着したのは5時半頃、そこは、夏でも歯が合わぬ程冷え込み、1年中突風が吹き荒れて、立っていられない程でした。
6時28分、日の出・・・東の空から太陽が昇りました。陽光に照らされ、シナイ山の山肌がゆっくりと姿を現しました。言葉では言い表せないような感動が、体中を巡りました。
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